共働き世帯年収1000万家庭 中学受験の日々

首都圏在住世帯年収1千万。中学受験の塾のこと、お金の工夫を記録していきます。

2023.5.4 『勇者たちの中学受験』が神奈川御三家を志望する受験生に刺さりすぎる

『勇者たちの中学受験』、最初は「中学受験に対する批判なんだろうなあ」と斜に構えて読み始めたのですが、思いのほか刺さってしまいました。

 

3家庭のエピソードから成っており、最初に出てくる家はサピックスに通う神奈川御三家志望の家庭。
それがもう、神奈川県内のサピックス生のほとんどコレなんじゃないかというくらい、リアルでした。

通塾を始めたころは成績は中くらい。がんばって上下し続け、でも6年生で振るわなくなる。
お父さんが受験に熱心になり、エクセルで学習予定を作る。
ハウツー本などをたくさん読んで、親の心構えや子どもへの接し方にも気を配る。

 

最初は御三家ありきで考えていて、6年生になり偏差値推移から少しずつ現実路線に志望校を変えていく。
聖光をあきらめ、栄光をあきらめ、浅野はどうしても残しつつ、行ったこともない逗子開成や鎌学、サレジオを受ける。

 

子どもの方は、親の期待に対する防衛として表情を抑え、「まあまあ」「普通」とだけ言うようになっていく。
受験期間中は、子どものメンタルを考え、結果を言うか言わないか思案する父親。
気にしていない風を装いながら、こらえられずに「〇〇の結果どうだった?」と父親に聞く息子の健気さ。


涙なくして読めない本でした。

 

そして、この本を読んで、最近成績不振な息子への不安が吹っ切れました。
元開成中高校長・柳沢先生のおっしゃる通り、「中学受験はリスクのない挑戦」(費用以外)。
あるのは第一志望として本人を頑張らせてくれる学校と、第二志望として受かったらどれでも行きたいと思える学校、の2種類だけ。

 

折角なので「合格」の結果は得たいところですが、受かっても志望じゃなかったという不満を持って通う学校なら行かなくていい。


これだけ学習習慣と理解力を高められたのだから、公立中に行って私学分の学費で充実した体験をすればいいんだ、と思えたのでした。
公立中で、長期休みは毎回留学したり海外を旅したりして、いろんな世界に触れるのも、それはそれで楽しみになりました。

 

そう考えると、何より頼りないのはRの自学力の乏しさ。
「この単元、攻略した!」という感じをつかんでほしいのですが、まだまだ「課題をこなす」レベルです。
そして、その影にはせっせと他人の(息子のだけど)学習予定を立てる父親が…